2700地区ガバナー挨拶

2025-26年度ガバナー 濱野 良彦

世界を恐怖に包んだ2020年からのパンデミックを乗り越えて、世界のロータリークラブが再生しようとしているこの時期に、また、近年では国際ロータリーは“Grow Rotary”を提唱し、次年度の2025年度から、複数年度制を導入する新しい国際ロータリーへと成長するこの時期に、第2700地区のガバナー方針をお示しできることに、心から光栄に感じつつガバナー方針を提示いたします。

2023年10月のRI理事会では、2025-26年度から「RI会長の新しいイニシアチブを廃止することに同意する」と決まり、2025年度からRI会長のテーマがメッセージに変わり、イメージロゴもなくなります。つまり2025年度からは、これまでの伝統的な考え方の単年度制の良いところを継続しつつ、複数年度制を導入することで、ロータリーの活動の成長と進化を求めることになりました。

2025年度RI会長メッセージは「UNITE FOR GOOD:よいことのために手を取りあおう」です。第2700地区の2025年度ガバナーメッセージは「少しの成長から始まります」とし、サブ・メッセージに「1.01で成長、0.99で衰退」とし、RI会長エレクトが明言した「クラブは成長するか衰退するかのいずれかである」に応えて、日々のほんの少しの、それが1/100の前向きな言動であったとしても、積み重ねることで成長という結果をもたらすことを第2700地区の会員の皆様方に提唱してまいります。

主たる10の方針

  • リーダーシップの継続性

2024-25年度から3年間の段階的な地区計画を設定する「3-Year Rolling Goals」は複数年度制の導入の始まりであり、各年度のクラブリーダーが話し合い、相互の考え方を理解し相互支援しながら、単年度制の考え方を成長進化させる取り組みです。この制度の導入によりリーダーシップの継続性が重要となり、これまでの単年度制ではできなかった大きな成長が期待されます。

2.RLIへの積極的参加の要請

リーダーシップの体得には、ラーニングプログラムRLIでの新しい体験を通してstudy(勉強する)からlearn(習得する)への成長を体験することが必須です。リーダーシップの育成のためのプログラムだけでなく、会員個人のロータリアンとしての実力が身につき、「会員力」の強靭化にラーニングプログラムRLIは、実力を発揮すると期待しています。

3.会員増強の強化

会員増強の対象を「女性会員」と「若い会員」に焦点を当てて考えます。

・女性会員について

女性会員の会員数比率で、各クラブの目標会員数を設定し、増員に努めていただきます。

・若い会員層について

クラブの全会員の年齢別、20~30歳、31~40歳、40~50歳の年代が占める会員数の割合を

把握し、クラブの実情に合わせて、各年代での会員増強の対応策を考えていただきます。

4.会員力の強靭化

会員増強の成功には、会員の個々の実行力つまり「会員力」を強くすることです。

そして、これまで以上に「女性会員力」と「若い会員力」を大切にすることです。

対応策として

〇クラブ会員間での意識の違いと役割を認識する

・ロータリー活動を実践する → 国際・社会・青少年活動に積極的に参加し社会貢献する。

・ロータリー活動への資金援助 → ロータリー活動には参加しないが、資金援助する。

・クラブに在籍する支援 → クラブ組織力を強化維持し、間接的にロータリー活動を支援する。

〇会員力の強靭化に関するクラブの慣例を明確にする。

・若手や女性会員からの新しい提案に“NO”と言わない。

・小さな個人的なロータリー活動であってもクラブが積極的にかかわる。

・地道にコツコツと積み上げていく。

・楽しくなければロータリー活動ではない。

・何事にも、決して偉ぶらない。

わが国には、昔、先見性を持った素晴らしいリーダーがいました。山本五十六海軍大将の言葉を

参考にし、ロータリアンとしての行動指針を考え、会員力の強靭化にこの考え方を導入してください。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

  • 他の団体とのパートナーシップの連携

他の団体や専門機関、企業、あるいは学術機関との連携を強化し良いパートナーシップを構築するに

は、奉仕活動を通しての連携が効果的であることは実証済みです。この連携によりロータリーの影響力を

さらに拡大し、新しい会員を獲得することも視野に入れることが重要です。「3-Year Rolling Goals」

の方針と各委員会の整合性などを考えて活動し、社会奉仕活動における多様化したパートナーシッ

プの活用と各地域のニーズに対応するためのパートナーシップを用いて継続的かつ長期的に支援

できるプロジェクトを協働推進することが重要です。

  • 社会奉仕活動の自浄作用と活性化

ロータリー会員は行動する人々で、変化が起こるのを待つのではなく、自ら変化を起こし、奉仕活動を通してクラブの活動の自浄作用を引き出します。その結果として、クラブ全体の活性化が促進されます。社会奉仕活動の本質は、個人の力が基本となった小さい力ですが、この「会員力」を用いてロータリー活動の中心に、あなたの奉仕する力で友を増やすことの価値を見出してください。

  • 公共イメージ向上の推進

「ROTARY」あるいは「ROTARY CLUB」のブランドに関しては、一般社会もロータリアンにもその認識を認めるところ

です。多額の浄財を用いた奉仕活動を行っていることはロータリアン仲間同士には理解できています。その一方で、社会的にはロータリーは、経済的に裕福な人たちの社交的集団との見られ方が、アウターブランディングにおける評価であるといえます。つまり、ロータリアン自身の考え方と一般社会が見るロータリーの評価との間には大きな乖離が長年存続してきているだけでなく、近年はその乖離がロータリーの活動に負の影響を及ぼしていることを見逃すことはできません。多額の浄財の使用に対するロータリアンの自尊心を守ったとしても、一般社会の賛同を得ることはできない時代なので、公共イメージ向上の推進に地区全体で活動します。

  • エンドポリオ運動への再挑戦

「エンドポリオ」も「もうチョット」のところで何年も停滞したままになっています。「エンドポリオ」と「平和

活動」は関係しているのですから、「平和」を求めていくロータリー活動がなければ、「エンドポリオ」も

完結できないと、考えるべきなのです。「平和活動」である「ロータリー平和フェロー」のことから始まる

「平和」への関心を高めていくことにより、「エンドポリオ」運動への再挑戦を行います。

  • ロータリー平和フェローの推進

当地区での初めての活動として、2025年度からロータリーの平和の推進活動の一つの「ロータリー平和フェロー」についてその活動の現状やこれからの活動見通しなど、ロータリアンとして、知っておくべきことの一つに「平和」ということを提唱します。毎年一定額の金額が会員の年会費から徴収され、「ロータリー平和フェロー」の事業が行われています。平和の推進におけるロータリーの4つの役割があり、実践者、教育者、調停者、提唱者の4つの役割について説明できる人材の育成が求められています。私たち会員は、この事業の運営のために、会費の一部を拠出していることすら忘れられています。「エンドポリオ」運動の再挑戦を行うには「平和」への関心を高めるのが、これからのロータリアンの必須事項です。

10.「4つのテスト」の再認識

ロータリーは、これまでの良いところを継続しながら、新しいロータリーの様式を目指しています。これを”Grow Rotary”の延長線上にあるので、私たちロータリアンは、「4つのテスト」を含む基本理念を変えることなく大切にしていることはロータリアンのプライドであり、ブランド力でもあるという共通認識を持っています。すなわち120年以上続くロータリーの本質や傾向や方針を変えることなく、世の中の流れに順応した組織作りが行われ、その中心に「4つのテスト」を上手に使う新しい発想が求められます。ですから、「発想の転換」ではなく「発想の成長」”Grow Rotary”なのです